エコキュートの導入を検討している人のなかには、エコジョーズや電気温水器などの給湯システムとの違いを確認して比較・検討したい方も多いのではないでしょうか。
今回は、「エコキュート」「エコジョーズ」「エネファーム」「エコウィル」「電気温水器」のエネルギー効率や初期費用、光熱費の目安などを比較していきます。
LINEで簡単30秒見積もり


かんたん概算料金チェック
エコキュート
近年利用者が増加しているエコキュート。導入にあたって確認しておくべき基本情報を紹介します。
概要
エコキュートはヒートポンプ技術を使い、空気中の熱を利用してお湯を沸かす仕組みです。
一般的に電気料金が安くなる夜間の時間帯にお湯を沸かしてタンク内へ溜めておきます。夜間のうちに溜めておいたお湯を昼間に使用するため、安い料金でお湯を使用できることが特徴です。
エコキュートでお湯を沸かすときに利用されるヒートポンプ技術はエアコンにも採用されているものであり、屋外に設置したファンを利用して空気中の熱を吸収し、吸収した熱を使ってお湯を温めます。
電気のみでなく空気中の温度を利用するため、省エネルギーであることも注目されていることが特徴です。
エネルギー効率
エネルギー効率はエコキュートの機種ごとに違いがあるものの、一般的に3倍以上の機種も販売されています。つまり、1の電力によって3以上のエネルギーを生成できるのです。
前日の夜間に翌日の使用するお湯を一気に沸かすシステムであり、節電や節電にも役立ちます。
初期費用と光熱費の目安
エコキュートを設置する際に必要な初期費用は機種や販売店によって多少の差があるものの、工事費用込みで40~60万円が一般的です。
自治体が用意している補助金制度を利用することで、工事費用を抑えられるケースもあります。
月額の光熱費はガス代が5,000~8,000円節約できるほか、オール電化にすると基本料金を含めたガス代が無料です。
電気代は一般的に1,000~5,000円ほど上がります。昼間にお湯を沸かす頻度や、家庭の電気料金プラン空気の温度によって節約できる金額は異なりますが、一般的なガス給湯器からエコキュートへ設置を変えた場合には月間3,000~6,000円ほど光熱費を抑えられるでしょう。
必要なスペース
エコキュートを設置する際には、ヒートポンプユニットと貯湯ユニットを設置するための広さが必要です。設置の際だけでなく、メンテナンスを行うことも考慮すると、ある程度スペースにゆとりも必要となります。
さらに、高さのある貯湯ユニットは底面積のみでなく高さも配慮しなければなりません。とはいえ例えばパナソニックのエコキュートでは容量が同じであっても「薄型」「角型」「低背」「コンパクト」の4つが販売されていますので、ご自宅のスペースに合ったタイプを選択できるでしょう。
一般的には「角型」が最もメジャーなエコキュートで、幅が600mm×奥行680mm×高さ1810mmであり、設置に必要となるスペースは0.408平方メートルです。一方、「コンパクト」のエコキュートであれば、幅が560 mm×奥行きが440 mmと、角型エコキュートのおよそ半分である0.246平方メートルとなります。
エコキュートを選択する際には1つのメーカーのみで比較せずに、いくつかのメーカーで比較をすれば、自宅の設置スペースに見合う機種を見つけやすいでしょう。
さらに、メーターボックス内に設置する方法や壁掛けで設置するケースもあるため、設置スペースの有無については自分で判断せずに、施工業者に相談するとより適した機種を選ぶことができるでしょう。
その他の特徴
エコキュートは電気を利用してお湯を沸かす仕組みであるため、IHヒーターと同時に導入し、『オール電化』にすることによって、より光熱費を削減できることがあります。
なおエコキュートの水は飲むために利用することは不可とされていますが、災害時など非常用として水を使用できる機種は多くあるのも特徴です。
エコジョーズ
省スペースかつ効率的にお湯を沸かせるエコジョーズ。導入にあたって確認しておくべき基本情報を紹介します。
概要
エコジョーズは少量のガスで効率的にお湯を沸かせるシステムであり、省エネに貢献しているとして注目されています。
家庭でのエネルギー消費のうちおよそ1/3が給油であり、お湯を生成する際に発生している熱を空気中に放出するのではなく回収し、再度お湯を生成する際に活用します。
エネルギー効率
エコジョーズのエネルギー効率はおよそ95%であり、これまでのガス給湯器は80%程度であったためガス使用量を41%削減できます。
初期費用と光熱費の目安
エコジョーズを導入の際の初期費用は15~20万円が目安です。
自治体によっては補助金制度を利用できるケースがあるため、より初期費用を抑えられる場合もあります。
月額光熱費の目安はガス代が1,000~2,000円ほど下がる傾向にあります。これまで他のガス給湯器を使っていた家庭であれば、利用方法を変更せずにガス代を節約できることがメリットです。
必要なスペース
エコジョーズは設置に必要なスペースが小さく、様々な方法を選択でき、自由度が高いことが特徴です。
例えば、エコキュートはタンクが必要であるうえに機器そのものも大きいため、設置場所は限られてしまう一方、エコジョーズはタンクが不要であり、給湯器そのものの大きさもエコキュートと比較して小さいことが特徴です。そのため、必要なスペースがないことが原因で導入できないというケースは少ないといえるでしょう。
エコジョーズを設置する方法は、屋外の隣接型、据置型、パイプシャフト設置型、壁掛け型など様々な方法があるほか、排気の種類もいくつか存在します。さらに、屋内に設置することも可能であり、上方吸排気型、後方吸排気型などを選択でき、調理台方や浴室内に設置するものなど多くの種類から選べることがメリットです。ただし、ドレン排水(※)が出るため、排水するための溝が必要となります。
※ドレン排水……蒸気が冷えて凝縮した水のこと。一般的に1日あたり500cc~1500cc程度が発生する。
その他の特徴
エコジョーズは比較的導入費用を抑えられ、これまで使っていた給湯器から変えるのであれば節約効果も実感しやすいといえるでしょう。
また、瞬間湯沸かし機能によってお湯を飲料として利用できることも魅力です。
エネファーム
自宅で電気を作れることで注目されているエネファーム。導入にあたって確認しておくべき基本情報を紹介します。
概要
エネファームは、ガスに含まれる水素と空気中の酸素を結合させて発電するシステムです。自宅で電気を生成し、同時にお湯も作れる家庭用燃料電池を指します。
ファーム(農場)とエネルギーを組み合わせた名前も特徴的で、自宅で使用するエネルギーを自宅で作るため、エネルギーを無駄なく利用することが可能です。
生成の仕組みとしては、空気中の酸素とLPガスや都市ガスから抽出した水素を化学反応させることで、電気を生成します。その際に発生する熱で同時にお湯を沸かし、給湯などに活用するというわけです。
さらに、エネファームで生成したお湯はお風呂やキッチンの給湯に活用できるほか、温室暖房や床暖房への接続も可能です。
エネルギーを効率的に活用することで省エネ効果も大きくなり、エネファームで生成した電気はテレビや照明に活用できるため、電力会社から購入する電力量を削減でき家庭全体の節電効果が高くなります。例えば、発電所で発生した熱は破棄され、家庭に電気が運ばれるまでの間には送電ロスも起こりますが、エネファームであれば「エネルギーを使用する場所がエネルギーを作る場所」になるため、ロスも少なくなり熱も有効活用できるのです。
エネルギー効率
エネファームのエネルギー効率はおよそ87%であり、33.5%が有効利用排熱、ガスエネルギーのうち53.5%が電気として使用されます。環境性や省エネ効果の高いといえるでしょう。
初期費用と光熱費の目安
エネファームを導入する際の初期費用の目安はおよそ200万円です。自治体ごとに補助金制度を活用できるケースもあります。
月額の光熱費の目安はガス代が500円~1000円程度上がりますが、電気代は5,000~6,000円程度削減することが可能です。ガスを使って発電する仕組みであるものの、ガス代は大きく上昇するわけではありません。
必要なスペース
エネファームは、燃料電池ユニットとお湯を蓄積しておくための貯湯ユニット、お湯切れなどが起こらないようにするためのバックアップ熱電源という設備があります。バックアップ熱電源は重要で、これがあるからこそ、どれほどお湯を使用したとしてもお湯切れを起こす心配がありません。
燃料電池、貯湯ユニット、バックアップ熱電源を設置するためのスペースや配管スペースなども必要になるので、小型化が進んでいるものの、ある程度広いスペースが必要になるでしょう。
その他の特徴
エネファームは導入にあたり初期費用が高いことがデメリットですが、給湯能力や発電能力は高いといえます。
なおエネファームはタンクにお湯を蓄積しておく仕組みであるため、エコキュートと同じく飲み水としては使用できません。
ただし、災害時や緊急時に水が使えることや停電時に電気を使える自立運転機能を搭載したエネファームも販売されており、緊急時に有効活用できることが大きなメリットです。
エコウィル
エコウィルは、エコキュートやエネファームとどのような点に違いがあるのでしょうか。基本情報を紹介します。
概要
エコウィルは、2016年9月30日に製造販売が終了した家庭用コージェネレーションシステムを指します。
エコファームはガスを利用した燃料電池を使用して発電を行いますが、エコウィルの場合はガスエンジンを使用して発電することが特徴です。さらに、発電時に発生する熱を活用して暖房や給湯を行うほか、エコウィルは補助熱源が搭載されているため、瞬間湯沸かしも行えます。
エネルギー効率
エコウィルのエネルギー効率はおよそ 92%であり、65.7%が有効利用排熱、ガスエネルギーのうち26.3%が電気として使われます。
初期費用と光熱費の目安
エコウィルの導入の際の初期費用はおよそ80~100万円が目安です。自治体によっては補助金制度を導入しているケースもあります。
月額の光熱費はガス代が1,000~2,000円ほど上がり、電気代としては4,000~5,000円ほど節約することが可能です。エネファームと同じくガス代が若干上がるものの、電気代が大きく削減できることが魅力だといえるでしょう。
必要なスペース
エコウィルは貯湯ユニットと発電ユニットを設置しなければならないため、ある程度広いスペースが必要です。
その他の特徴
機能についてはエネファームの方が若干優れているといえるものの、エネファーム導入費用の半額以下であるため気軽に導入できることやコストパフォーマンスが高いことが特徴です。
エネファームと同じく自立運転機能が付いた機種も販売されており、停電した際にも発電と給湯を行えます。ただし、エコウィルのお湯は飲料として使用不可です。
電気温水器
ガスを使わない給湯器の代表とも言える電気温水器。導入にあたって確認しておくべき基本情報を紹介します。
概要
電気温水器は、電気を使用してヒーターを温め、温まったヒーターを利用してお湯を生成する給湯器を指します。
火を使用しないため、ガス漏れや不完全燃焼のリスクはありません。
また、ガス給湯器を利用する際には不完全燃焼を予防するために屋外に給湯器を設置しなければならないケースもあるため、蛇口から給湯器までの距離が離れてしまい、蛇口をひねってからお湯が出るまで一定の時間がかかります。そのため、水が温まるのを待つ時間を要し、無駄に水を使ってしまうことがデメリットですが、一方の電気温水器は、お湯を使う場所の近くに設置することが可能であり、お湯を使用した居場面ですぐに利用できます。さらに、熱源を着火する際の音もなく静かなことも魅力です。
エネルギー効率
エネルギー効率はエコキュートの4倍とされています。つまり、エコキュートを使用した場合、従来の電気温水器と比べて1/4のエネルギーで済むのです。
初期費用と光熱費の目安
電気温水器を導入する際の初期費用は、取り付け工事費込みで50~60万円ほどです。
光熱費は深夜電力を利用する方が昼間に電力を使うよりも料金を抑えられ、目安としては月に4,000円ほどとなります。
必要なスペース
電気給湯器は貯湯タンクが必要であり、一般的には大型の冷蔵庫ほどのスペースが必要です。さらに、設置する条件ごとに工事費用も異なり、設置場所の条件としては200ボルトの電源が取れること、ラジオやテレビなどのアンテナから3メートル以上離れていることなどが挙げられます。
電気温水器は屋外に設置するケースが多いですが、貯湯タンクがある機器の場合は、コンクリートの基礎にアンカーボルトを使用してしっかり固定しなければなりません。そのため、新築工事と同時に行う場合や、そもそも電気給湯器を使用しており利用できる基礎土台が存在するのであれば、工事費を節約することが可能です。ただし、新しく基礎打ちを行う場合には費用も高くなります。
その他の特徴
電気給湯器は燃料機器が存在しないため経年劣化しにくく、機器の寿命はおよそ20年と比較的長いことが魅力です。
さらに、タンクには一定のお湯をためておけるため、災害時など非常用にも活用できます。また、火を使用しないため燃料音が出ず、静かであり安全なことも特徴です。
どれを選んだらいいの?
エコキュートやエコジョーズ、電気給湯器など様々な種類がありますが、いずれもメリットやデメリット、特徴が異なり、どれを選ぶべきか判断できない人もいるでしょう。そんなときは、家庭の状況や使用方法などから、最適なものを考えましょう。
オール電化住宅なら迷わず「エコキュート」
調理設備をIHクッキングヒーターに変える、電化にすることで、エコキュートの費用を節約する効果が実感しやすくなります。エコキュートはco2の削減にも役立つうえに、ガスや火を使わないことによって火災のリスクを軽減できることもメリットです。
今の給湯器からあまり変更したくないなら「エコジョーズ」
これまで使用していた給湯器から仕組みや使い方を大きく変えたくない場合には、これまでのガス給湯器と大きな違いのない使い方でガスの光熱費を抑えられる、エコジョーズが最適です。省スペースで設置できることやメンテナンスが手軽であることなどがメリットだといえます。
電化したいけど導入コストを抑えたいなら「電気温水器」
電気代を中心に考えるのであれば、電気給湯器と比較して空気中の熱を活用してお湯を温めるエコキュートの方が電気代を節約できます。ただし、導入コストだけを見てみると、エコキュートよりも電気給湯器の方が費用を抑えられるでしょう。
悩んだらご相談を
家庭の状況や使用方法によって、最適な給湯器は異なります。大きな買い物ですから、自己判断が難しいようなら専門業者に相談してみることがおすすめです。
そろそろ買い替えどき?
ウチにピッタリの給湯器はどれか知りたい
全部でいくらかかるんだろう?
まずは現在お使いの給湯器の点検を給湯器施工店に相談してみませんか。
お見積りのご相談など、お気軽にミズテック駆けつけ隊までご連絡ください! お見積りはもちろん無料。ご相談はお電話やLINEでも受け付けております。
ミズテックの工事は全てコミコミ価格なので標準設置であれば追加費用は一切かかりません。
オペレーターより正式な見積を希望しますか?