「給湯器には法定点検があると聞いたけど、一体どんな点検?」
給湯器のメンテナンスを行う上で、法定点検の存在が気になっている方も多いでしょう。
この記事では、法定点検の内容や費用、受ける流れを詳しく解説しています。
「法定点検は義務なのか」「受けないと罰則があるのか」などの気になる疑問も解消できる上に、法定点検以外のメンテナンス方法まで分かります。
この記事が、給湯器を長く使い続けたい方のお役に立てば幸いです。
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メーカー共通の対処手順や基礎知識は「ガス給湯器の失敗しない選び方とおすすめランキング7選」で解説しています。
給湯器の法定点検とは?

給湯器の法定点検とは、経済産業省が定めた「長期使用製品安全点検制度」に基づき、メーカーや販売店によって行われる点検です。
2009年より施行された制度で、経年劣化による重大事故のおそれが高い製品を「特定保守製品」に指定し、所有者に点検を求めるものです。
2021年8月1日に対象が見直され、現在の特定保守製品は「石油給湯機」と「石油ふろがま」(いずれも屋内式・屋外式)の2品目のみです。
当初は9品目が対象でしたが、技術基準の強化などで事故が減ったことから7品目が除外され、そのなかに屋内式ガス瞬間湯沸器と屋内式ガスふろがまが含まれます。そのため、ガス給湯器は現在、法定点検の対象ではありません。
参考:経済産業省「長期使用製品安全点検・表示制度」、一般社団法人日本ガス石油機器工業会「長期使用製品安全点検制度についてのご案内」
給湯器は長期間使用していると経年劣化による故障や事故の危険性が高まり、場合によっては一酸化炭素中毒などの恐れもあります。
このような事故を防ぐために、対象となる石油給湯機・石油ふろがまは、製造から9~11年のうちに1度の法定点検を受けます。
ガス給湯器をお使いの場合は、後述するメーカーの「あんしん点検」が同じ役割を果たします。
給湯器の法定点検は義務?受けないと罰則あり?

結論から述べると、給湯器の法定点検は義務ではありません。
法定点検は義務ではなく「責務」として定められています。義務と責務の違いは、行政処分による罰則の有無であり、責務である法定点検を行わなくても罰則はありません。
ただし、一定期間のうちに法定点検を受けないと、重大な故障や不具合を見逃す可能性が高まります。
また、不完全燃焼による一酸化炭素中毒や死亡事故などを起こした場合には、製品と紐付けられたユーザーが責任を問われるケースも多いです。
このユーザーとは給湯器の所有者であり、賃貸住宅の場合には大家さんや管理会が責任を負います。ただし、賃貸契約の中で入居者にも住宅設備の保守などが求められているケースも多く、他人事ではありません。
一定期間以内に法定点検を受けるとともに、給湯器にトラブルがあった際には大家さんや管理会社に連絡を入れることも重要です。
給湯器の法定点検の費用
給湯器の法定点検は、メーカーを問わず有償点検です。
メーカーごとに費用差はあるものの、相場は10,000円前後となっています。また、法定点検にかかる時間は60分程度のことが多いです。
法定点検の結果、修理や交換が必要になった場合には、作業費や部品代などが別途発生します。
このように法定点検は無料ではありませんが、対象となる石油給湯機・石油ふろがまでは、事故を防ぐために9~11年に一度は受けておきたい点検です。
法定点検を受けるとともに、より短い期間内に他の点検も受けることが、安全に長く給湯器を使い続けることにつながります。
給湯器の法定点検を受ける流れ

続いて、給湯器の法定点検を受ける流れをチェックします。法定点検の登録から実際の点検までは、下記の4つのステップで行われます。
ユーザー登録を行う
給湯器の法定点検を受けるためにはまず、ユーザー登録を行います。
給湯器購入時には登録用のはがきも受け取りますが、このはがきに必要事項を記入し郵送することで、ユーザー登録が完了します。
販売店にはがきを持ち込んでの登録や、インターネットでの登録も可能です。登録用はがきの控えは点検時にも必要なため、大切に保管してください。
点検時期の通知が届く
実際の点検時期が近づくと、通知が届きます。
点検期間は、給湯器の購入時にあらかじめ定められたものです。給湯器本体にも記載されているため、気になる方はチェックしてみてください。
この期間が近づくと、はがきやメールなどで通知が届きます。給湯器によっては、エラー表示で点検時期を知らせてくれるものもあります。
点検を申し込む
点検時期の通知が届いたら、期間内の点検を申し込みます。
メーカーや販売店などの点検依頼先に対し、ご自身で連絡を取って申し込む形です。郵送や電話、メールなどでの申し込みが可能です。
点検が実施される
申し込んだ日時になると業者が訪問してきます。
立会いが必要なため、平均点検時間が1時間前後であることを踏まえ、2~3時間は時間を確保しておくのがおすすめです。
点検の結果、劣化や故障が見つかった場合には、部品の交換や修理作業などを行う必要があります。別途費用が発生する点に注意してください。
また、部品によっては生産を終了しているケースもあるため、給湯器本体の交換も考慮しておくことが重要です。
給湯器の法定点検以外の点検とは?

法定点検は石油給湯機・石油ふろがまを対象とする9~11年に一度の点検ですが、他にも給湯器の点検は存在します。
ガス給湯器は法定点検の対象外のため、下記の点検が実質的な受け皿になります。
法定点検を受ける頃にはすでに寿命を過ぎているケースも多いため、下記に紹介する点検を、できるだけ早い時期に受けるのがおすすめです。
ノーリツやリンナイの「あんしん点検」
ノーリツやリンナイなどの大手給湯器メーカーには「あんしん点検」という自主点検の制度が存在します。
これは「一般社団法人日本ガス石油機器工業会」および各メーカーから奨励されている有償点検であり、法定点検と同じく経年劣化による製品事故の防止を目的としています。
点検期間や点検費用目安、点検の流れなどは法定点検と変わりません。
なお、ノーリツ・リンナイだけでなくパロマやパーパスなど他のメーカーでも、あんしん点検を受けることができます。
業者ごとの保証や定期点検がある場合も
大手メーカーによる「あんしん点検」の他にも、業者ごとの保証やアフターサービスなどを利用して、定期点検を受けられるケースがあります。
保証期間内であれば、給湯器が故障してしまった際に無償で点検・修理を受けられるケースも多いです。給湯器の取り付けによる不備に対して工事保証がついている業者もあります。
このような保証の内容や期間は業者・メーカーによって異なります。保証の延長が可能な場合もあるため、工事を依頼した業者の保証を確認し、必要に応じて点検や修理を受けましょう。
法定点検だけじゃない!給湯器のセルフチェック方法

給湯器を長く安全に使い続ける上では、日頃のメンテナンスも重要です。
ここでは、給湯器を長く使うべく日常的にチェックしたいポイントを2点お伝えします。
外装の汚れやサビをチェック
給湯器を長く安全に使うためにはまず、外装の汚れやサビなどをチェックすることが重要です。
下記のような症状が出ている場合には、経年劣化が疑われます。
- カバーの汚れやサビ
- 配管の変色やサビ、破損
このような症状を日頃からチェックしておき、症状が出た場合には早めに業者に点検を依頼するのがおすすめです。
異音や異臭がないかチェック
給湯器を長く安全に使うためには、異音や異臭がないかをチェックすることも重要です。
給湯器本体から異音が出ている場合には、何らかのエラーや不具合が発生している可能性があります。また、異臭がする場合にはガス漏れなどの危険性もあるため、すぐに使用をやめて直ちに業者に連絡しましょう。
他にも、下記のような症状に関しては日頃から特に注意しましょう。
- 給湯器や配管から水漏れがないか
- 排気口付近をホコリや異物が塞いでいないか
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給湯器は法定点検やその他の定期点検を受けて、安全に使い続けることが重要です。
万が一重大な事故が発生してからでは手遅れになるケースも多いため、何らかの不具合が生じたら、できるだけすぐに業者に連絡をしましょう。
給湯器のトラブルは専門家ではないと分かりづらい点も多く、不安になってしまうのも無理はありません。
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よくあるご質問
給湯器の法定点検とは何ですか。
経済産業省が定めた「長期使用製品安全点検制度」に基づき、法律で「特定保守製品」に指定された機器の所有者に点検を求める制度です。2009年より始まりました。
ガス給湯器も法定点検の対象ですか。
対象外です。2021年8月1日に対象が見直され、現在の特定保守製品は石油給湯機と石油ふろがま(いずれも屋内式・屋外式)の2品目のみです。屋内式ガス瞬間湯沸器と屋内式ガスふろがまは、このときに除外されました。ガス給湯器をお使いの場合は、メーカーの「あんしん点検」をご利用ください。
法定点検は義務ですか。受けないと罰則がありますか。
義務ではありません。法定点検は義務ではなく「責務」として定められています。義務と責務の違いは行政処分による罰則の有無であり、責務である法定点検を行わなくても罰則はありません。詳しくは本記事の「給湯器の法定点検は義務?受けないと罰則あり?」の章で解説しています。
費用はいくらかかりますか。
メーカーを問わず有償点検で、相場は10,000円前後です。点検にかかる時間は60分程度のことが多いです。点検の結果、修理や交換が必要になった場合には、作業費や部品代などが別途発生します。
いつ受ければよいですか。
対象となる石油給湯機・石油ふろがまは、製造から9〜11年のうちに1度受けます。
受ける流れを教えてください。
本記事の「給湯器の法定点検を受ける流れ」の章で、ユーザー登録を行う、点検時期の通知が届く、点検を申し込む、点検が実施される、の4ステップを解説しています。
あんしん点検とは何ですか。
ノーリツやリンナイなどの大手給湯器メーカーにある自主点検の制度です。一般社団法人日本ガス石油機器工業会および各メーカーから奨励されている有償点検で、法定点検と同じく経年劣化による製品事故の防止を目的としています。点検期間や点検費用目安、点検の流れなどは法定点検と変わりません。パロマやパーパスなど他のメーカーでも受けられます。
自分でできる点検はありますか。
本記事の「法定点検だけじゃない!給湯器のセルフチェック方法」の章で、外装の汚れやサビをチェック、異音や異臭がないかチェック、の2点を解説しています。
給湯器 法定点検 まとめ
この記事では、給湯器の法定点検について詳しく見てきました。
法定点検は、経済産業省が定めた「長期使用製品安全点検制度」に基づき、給湯器の経年劣化による事故を防ぐために、9~11年に一度行われる点検です。法定点検の他にもメーカーによる「あんしん点検」や業者ごとの保証などもあるため、うまく活用しましょう。
また、給湯器を安全に使い続けるためには、日頃のチェックやメンテナンスも欠かせません。それに加え、何か不具合が生じたらその都度、点検や修理を依頼することも重要です。
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